離婚の確定前の自宅処分は慎重に!
やまゆりエステート株式会社の桑島です。
ご夫婦の関係がこじれて離婚する方向に動き始めると、自宅をさっさと処分して換金してしまいたいと思ってしまうかもしれません。
一般的な離婚の手続きでは、財産分与として、婚姻期間中に得た財産を折半にします。
従って、最終的には自宅を処分して売却代金で精算するケースが多いですが、万一これを離婚条件が確定する前に片方の独断で進めてしまうと、大きなトラブルを招きかねません。
ご夫婦の間で、離婚を認識している程度の状態と、条件協議が合意されて離婚が確定した状態とは、まったく違います。
もし勇み足をして自宅の売却を進めるとどうなるか?2つのケースに分けてご説明します。
1.夫婦の片方(ここではご主人)が1人で持っている場合
2.夫婦が共有持分(ここでは50%ずつ)で持っている場合
財産分与の協議では、自宅の名義人がどちらであるかは無関係ですが、実際に売却する場面ではケースによって扱いが異なります。
ご主人が自宅の単独名義人の場合
まずは大前提として、不動産の売却は所有者本人にしかできません。
本人以外の親族などが行おうとする場合は、正式な委任状が必要です。
逆に言うと、名義人は単独の意志で、いつでも不動産の売却をすることが可能です。
従って、ご主人が名義人なら、離婚協議中というデリケートな時期であっても、自宅の売却はできてしまいます。
ただ、いくら権利があると言っても、奥様や家族などがまだ住んでいるのに、売却するから退去せよと言うのはかなり乱暴。
裁判所でも、こうした独断での売却は「権利の乱用」と判定されています。
もし奥様やご家族が転居済の場合でも、独断で売って売却代金を使い込んだり隠してしまうのは論外。
離婚協議(財産分与)における「詐害行為」とみなされ、それでなくても神経質な状態のところに、更にトラブルの種を持ち込むことになります。
★奥様の独断での売却は無理
一方で、名義人ではない奥様が、ご主人に無断で売却を進めることはできるでしょうか?
結論としては、離婚することを前提とした場合でも、絶対にできません。
ご主人が協力的でないなどの事情があったとしても、前述の通り、不動産の売却は名義人本人にしかできないからです。
奥様が売却の話を進められるのは、名義人であるご主人から書面で正式な委任を受けた時に限られます。
時々、不動産会社では奥様側から「離婚するので自宅を査定してほしい」と依頼を受けることがありますが、不動産登記簿を見れば名義人が誰かすぐに分かります。
従って、不動産会社としてはご事情をお聞きしつつ査定額をお知らせしますが、実際の売却を直ちに承ることはできません。
ご夫婦の共有名義の自宅の場合
自宅をご夫婦2人が共有持分で50%ずつ持っている場合は、単独所有のケースとはポイントが違います。
財産分与では、ご夫婦間の財産を原則として折半にしますが、自宅の権利については元から半分になっているので、離婚に伴う変更は必要ありません。
では、こうした共有の不動産は、どのように売却すると良いのでしょうか?
実は法律では、共有持分の単独処分は禁止されていません。
つまり、ご主人も奥様も、自分の持分だけを単独の意志で、相手に断ることなく売却することができます。
この原則は、離婚協議中でも同じなので、自分の分だけをさっさと処分してしまうことも不可能ではありません。
ただ、想像に難くないですが、独断での共有持分の処分は、相手の大きな怒りを買うことになります。
不動産会社の中には、共有持分を積極的に買い取る会社もありますが、特殊な分野です。
著しく安い価格で持分を買取り、もう一方の共有者が居住中なら家賃を請求したり、或いは高額で持分の買取りを打診したりしてきます。
見ず知らずの第三者が突然自宅の共有者になる訳ですから、相手方に大きな不安と不快を与えることは避けられません。
★共有者が一緒に売るのが鉄則
共有持分の単独処分は、物件全体の適正価格に持分を乗じた金額で売れるはずなく、経済合理性に欠ける行為です。
余程の事情がない限り、自宅は100%の所有権、つまりご夫婦の持分を纏めて一緒に処分しましょう。
なお、ご夫婦が自宅売却に合意しているのなら、離婚条件の確定前に処分しても、特に問題にはなりません。
離婚に伴う不動産売却の無料相談
不動産や自宅を売却される理由は人それぞれで、離婚や相続のように本意ではない出来事や想定外の事情によって売却される方も、特に珍しくありません。
中でも離婚の場合は、財産分与等の対応に詳しく慣れているという方はまずおらず、不安や悩みを感じてしまうのが当然です。
やまゆりエステートでは、離婚に関わるお困りごとやお悩みに対して、コンサルティング型の不動産会社という立場で無料相談を承っています。
不動産の処分に限らず、離婚全般のことをご相談いただけますので、一人で悩まずにお気軽にお問い合わせください。
売却ありきの結論ではなく、離婚当事者様のお立場や状況に寄り添って最善の対応策をご提案いたします。
ご負担いただく費用は実際に不動産を売却した時の仲介手数料だけで、しつこい迷惑な営業も一切していません。
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